ブログこの星の未来の創り方

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2016.05.26

伊勢から風が吹きますように

サミットですね。
中継で流れてくる
宇治橋を渡られる各国首脳の姿を
なんとも不思議な思いで見つめていました。
ふと、改訂版『こころの宝物』のエピローグに
内宮での出来事を書いたことを
思い出したので、シェアしたいと思います。

あの時たしかに見た
七色の光が降り注ぎ
伊勢から世界へと
その風が吹きわたりますようにと
心から祈りつつ。
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◇epilogue
 たくさんのご要望もいただいて、
二冊目を書き始めてはみたものの、
なかなか筆を進められずにいたとき、
思い立って一日だけお休みをいただいた私は、
仕事も子育ても全部放り出して、
伊勢神宮へと向かいました。
 伊勢神宮に特別な想いがある方は、
とても多いと思います。
私が初めて参拝させていただいたのは、
出版社を本格的に始めるすこし前のこと。
ちょうどその年の収穫を感謝する新嘗祭の日で
全国から届けられたたくさんの稲穂が
早朝の太陽の光に照らされ、
御垣内のそこかしこでキラキラと輝いていました。
私はその光景に、
胸の詰まるような想いになったものです。
 あの日はよく晴れていましたが、
今回はあいにくの雨模様。
それでもご参拝の方はとても多く、
静かにお参りするのは難しいかなあと
すこし残念に思いながらも、
内宮の御前の階段までの道を、
すばらしいご神木にご挨拶をしながら歩きました。
 そうして着いた階段、
昇る途中は強めの雨風だったのが、
御正殿の拝所にある大きな白い布、
御帳(みとばり)の前に着いた時には、
風がすっかり止み、なぜか人の姿もまばらで、
そこには驚くほど静かな時間が訪れていました。
 遠く昔から、
一生に一度と憧れる多くの人々に
参られてきたこの場所に、
二度も訪れることができたことは、
それだけでもほんとうに嬉しいことでした。
祝詞の一つもあげられない私ではありましたが、
「戻って参ることができました。
          ありがとうございます」 
 そう言って深々と頭を下げたとたん、
ぼろぼろと涙がこぼれて
止まらなくなってしまいました。
別に何を思ったわけでもありません。
神社で泣くなんて、初めてのことです。
 恥ずかしくて顔を上げられないままいると、
次の瞬間、ふわっと周りの空気の色が
変わるのが感じられました。
と同時に、後ろから
風ともいえないような優しい空気が流れてきて、
大きな白い布、御帳が静かに奥へと引き込まれ、
御垣内がすべて見えるところまで、
ゆっくりゆっくりと上がっていったのです。
 どこからか射してきた光が、
細かな雨粒に反射して、
七色の光が降り注ぐような情景。
あまりにも美しく、
頭を下げたまま呆然としていると、
どこからか声がしました。
 「いきなさい」 
 次の瞬間、私は……たぶん私のこころは、
御垣内の中、御正殿の目の前にありました。
それはまるで、美しい光の扉のようでした。
 私は「書かなければならない」という想いに
かられていました。でもそれは違っていた。
誰に教わろうとしなくても、
細胞たちのすみずみまでもが、
ちゃんと目的を知って、動いてくれている。
だから、安心して、ただゆだねればいい。
 使命感などなくていい、
天命なんて、分からなくてもいい。
ただ、心の奥から湧き上がってくるとおりに
「いきなさい」と。
 「はい」
 そう言って頭を上げると、それにあわせるように、
御帳は静かにゆっくりと下がっていきました。
私はぼんやりして分かっていなかったのですが、
水を含んで重いはずの白い布は、
風も吹いていないというのに、
まるで私が頭を上げるのを待つかのように、
一分以上にわたって上がり続けていたんだそうです。
 今、人も地球も
大きな転換点に差し掛かっているというのは、
ほんとうのことのように思います。
けれど、それは決して苦しみや恐怖ではなく、
伊勢神宮で見せていただいたあの七色の光のように、
みんなの、地球の、宇宙の、
キラキラと輝くすばらしい未来につながっていることを、
私は信じています。
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今日もお読みくださってありがとうございます。
愛と感謝をこめて。
尚子 拝
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