ブログこの星の未来の創り方
2023.08.26
【言葉のもつ力 まなひまつり2023希望の創造05】 #223
皆さま、こんばんは♪
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この仕事を始めてから何度か
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ああ、
わたしはこのことをやるために
いまこうして
本を創っているんだと
魂の底から
感じたことがあります。
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その中でも
特に大切なひとつを
今日はご紹介したいと思います。
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きれい・ねっとを立ち上げる
もう少し前
SNSで知り合った
福島の村上美保子(みほりん)さん。
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当時、朝日館という
海辺の旅館の女将さんで
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以来
わたしを娘のように
たつきを孫のように
思ってくださって
ずっと応援してくださり
わたしも福島のお母さんと
慕い続けています。
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いまは天国にいらっしゃる
みほりんさんの娘さんが
「なほこさん」というお名前で
わたしと年が近かったことが
ご縁を深くしてくれたようにも思えます。
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そんなみほりんさんから
先日、一冊のご本が届きました。
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福島県の北の端・新地町
小さな旅館の女将の
東日本大震災体験記
『見上げれば青い空』
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そこに
みほりんさんとわたしの
それからわたしの両親
さらにはたくさんのいのちの願いが
言葉の力となった
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大切な魂のお仕事のことが
記されていたので
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みほりんさんに
心からの愛と感謝をこめて
皆さまにもシェアしたいと思います。
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(引用ここから)
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早く連絡しなければと焦っていた。
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「私は生きているよ」と
一刻も早く伝えたかったが
東日本大震災直後、しばらくは
電話が繋がらなかったのだ。
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きっと尚ちゃんも
どうしたらよいか
迷っていることだろう。
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毎日、毎日電話をして
十日後くらいにやっと繋がった。
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「尚ちゃん! 私は生きているから。
心配しないで本を作ってね」
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「……みほりんさん……みほりんさん
生きていたんですね……良かった……良かった。
本はもう作り始めていますよ。
みほりんさんが死ぬとは思えなかったから」
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山内尚子さんは
受話器の向こうで
私のハンドルネームを連呼しながら
泣きじゃくっていた。
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「新地の昔話を冊子にしませんか」と
声をかけられたみほりんさん。
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もともと朝日館の宿泊客に
新地の昔話を聞いてもらいたいという
夢を持っていたみほりんさんは
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二百を超える新地町の昔話の中から
自分の好きな話、語りたい話を三十選んで
語りやすいように書き直しました。
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けれど、新地生まれではない
みほりんさんだけでは
新地弁の文章を完成させるのは難しく
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昔話を学び語るグループ
「新地語ってみっ会」の
メンバーの助けを得て
正確な新地弁への翻訳をしながら
昔話の舞台となった場所の
写真も撮影して回り
「新地の昔話」の原稿が
作られていったのでした。
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さっそく尚ちゃんにメールをした。
娘のようだと思っている彼女は
「きれい・ねっと」という出版社の代表だ。
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SNSで知り合ってから
ずっと仲良くしている。
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「新地の昔話」の冊子は
六月に発行することになり
原稿は五月初旬までに送る約束をした。
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年度末、年度初め
旅館の仕事は忙しい。
三月と四月は書き入れ時だ。
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忙しくなる前に原稿を送ろう。
深い考えもなく
約束よりもずっと早い
三月初めに原稿と写真のデータを送った。
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それから、わずか数日後に
東日本大震災が起きた。
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原稿と写真は
私のパソコンにしか保存されていない。
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パソコンは
我が家と一緒に流された。
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パソコンだけではない。
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みんなで撮影したあの場所も
あの風景もすべて流された。
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かろうじて
尚ちゃんの手元にだけ
原稿と写真が残った。
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私が生死不明では
出版に取り掛かったらよいかどうか
彼女も迷っているだろう。
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そのことばかりが気になる。
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やっと電話が繋がったら
私の生存を信じて
すでに印刷に取り掛かっているという。
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その気持ちがとても嬉しかった。
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震災から二ヶ月後
移り住んだ仮設住宅に
大きな段ボールが届いた。
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中には出来上がったばかりの
『新地の昔話』が入っていた。
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避難所から仮設住宅に
引っ越すタイミングを待って
送ってくれたのだ。
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中に入っていた手紙には
新地の皆様にお見舞いと書いてある。
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二百冊をプレゼントしてくれた。
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なぜ、まだまだ時間があったのに
尚ちゃんに原稿を送ろうと思ったのか
不思議でならない。
まるで何かにせかされるかのように送った。
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おかげで
奇跡ともいえる本が出来上がった。
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この本を懐に入れて
語ってみっ会のメンバーと
昔話を語って歩いた。
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仮設住宅や小学校など
いろいろな場所で昔語りをして
多くの人に喜ばれる。
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被災疲れの人たちは
先祖から伝わる話を
涙を流して聞いてくれた。
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失われた風景を思い出し
懐かしんでくれた。
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宿泊客の前で
語ることはできなくなったが
いろいろな場所で
新地の昔話を披露することが出来て
私の夢はかなった。
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(引用ここまで)
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言うまでもないことですが
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わたしはあの時
徳積をしようとか
カルマを解消しようだなんて
思っていたわけではないし
なにかの見返りを求めたわけでも
決してありません。
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そんなことは
必死で生きている時には
思いつきもしないことなのですね。
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そして
そういう時にこそ
人は生きることを全うする。
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こんな場面に出逢ってきた
わたしだからこそ
伝えられる言葉を共有していきたい
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そして
一人ひとりがそのいのちを
輝かせることができますように
全うすることができますようにと
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そう願うからこそ
わたしは魂の仕事として
「まなひまつり」という場を
創っていくのです。
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「まなひまつり2023」
10月22日(日)
東京ベイ有明ワシントンホテルにて
開催です。
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すばらしいひと時
ぜひご一緒くださいましたら幸いです。
(詳細・お申込みはコメント欄から)
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今日もお読みくださり
心よりありがとうございました。
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これを読んでくださるあなたが
いのち輝く日々を
お過ごしくださいますように祈ります。
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愛と感謝をこめて。
山内 尚子 拝
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今日の写真は
村上美保子著『見上げれば青い空』
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