ブログこの星の未来の創り方

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2023.01.17

祈りと誓いと

もう28年にもなるんだなあ……。
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それでも
やっぱり、祈らずにはいられない
そんな今日です。
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きれい・ねっとサイトの
ヒストリーに書いた「あの日のこと」を
ご紹介させてくださいね。
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1995年1月17日、わたしが二十歳の時に
阪神淡路大震災が起こりました。
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同じ兵庫県でも
姫路にはほとんど被害がなかったのですが
わたしは偶然友人と一緒に
神戸にいあわせたのです。
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幸い、友人もわたしも無事でしたが
ほんのさっきまで
平和の中にあった静かな家並みが
大音響とともに崩れていく様を目の当たりにして
今まで感じたことのないような
衝撃を受けました。
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いったいこれからどうなるんだろう
余震のたびに感じる恐怖
どこかに落ちていくような、途方もない不安……。
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でもそんな時、避難場所になっていた小学校で
わたしの耳に力強い声が飛び込んできたのです。
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「おばあちゃん大丈夫か?
   遠慮はいらんからここに座って」
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「お医者さんもうすぐ来るからな。
          がんばろうな」
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それは、ほとんどが
レスキュー隊でも警察でもない、
ごく普通の人たちの声でした。
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おそらくみんな、家も仕事も失っている。
大切な人を失った人だって、
たくさんいたと思う。
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そんな苦境の中で、家族でもなんでもない
たぶん知り合いですらない人たちが、
ごく自然に声を掛け合い、
助け合っていました。
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「大丈夫、わたしは一人ぼっちじゃない」
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気がつくと、涙がぽろぽろと流れていました。
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それはもちろん
わたしにかけられた声ではありませんでした。
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けれどわたしは、
いえ、わたしだけではなく
あの場にいたたくさんの人々が
間違いなくあの声に助けられていました。
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短い文章の中で
とても伝えきれることではないのだけれど
運にも恵まれ、
今、こうしていのちを長らえてみて
生きていくために
何がいちばん大切なのかと問われたなら
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わたしはあの優しくも力強い声だと伝えたい。
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寸断された道路で、
お互いが滑らないようにと支えあった
見知らぬ人の手のぬくもりだと伝えたい。
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今となっては名前も顔も分からない
恩人である声の主に、
直接感謝を伝えることはかなわないけれど
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今度はわたしが、真摯な生き様で、
言葉で、伝えて続けていきたいと思っています。
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「大丈夫、あなたは一人ぼっちじゃない」と……。
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