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2023.05.03

【生きていくために一番大切なこと】#153

皆さま、こんばんは♪
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今日は山内尚子のヒストリー第3回目
この記事は今年の1月17日に
シェアしたので
覚えている方もいらっしゃるかしれません。
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◇生きていくために一番大切なこと
 history03◇◇◇◇◇
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1995年1月17日、わたしが二十歳の時に
阪神淡路大震災が起こりました。
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同じ兵庫県でも
姫路には
ほとんど被害がなかったのですが
わたしは偶然友人と一緒に
神戸にいあわせたのです。
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幸い、友人もわたしも無事でしたが
ほんのさっきまで
平和の中にあった静かな家並みが
大音響とともに
崩れていく様を目の当たりにして
今まで感じたことのないような
衝撃を受けました。
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いったいこれからどうなるんだろう
余震のたびに感じる恐怖
どこかに落ちていくような、
途方もない不安……。
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でもそんな時、
避難場所になっていた小学校で
わたしの耳に
力強い声が飛び込んできたのです。
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「おばあちゃん大丈夫か?
   遠慮はいらんからここに座って」
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「お医者さんもうすぐ来るからな。
          がんばろうな」
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それは、ほとんどが
レスキュー隊でも警察でもない、
ごく普通の人たちの声でした。
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おそらくみんな、家も仕事も失っている。
大切な人を失った人だって、
たくさんいたと思う。
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そんな苦境の中で、
家族でもなんでもない
たぶん知り合いですらない人たちが、
ごく自然に声を掛け合い、
助け合っていました。
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「大丈夫、
  わたしは一人ぼっちじゃない」
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気がつくと、
涙がぽろぽろと流れていました。
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それはもちろん
わたしにかけられた声では
ありませんでした。
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けれどわたしは、
いえ、わたしだけではなく
あの場にいたたくさんの人々が
間違いなくあの声に助けられていました。
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短い文章の中で
とても伝えきれることでは
ないのだけれど
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運にも恵まれ、
今、こうしていのちを長らえてみて
生きていくために
何がいちばん大切なのかと
問われたなら
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わたしは
あの優しくも力強い声だと伝えたい。
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寸断された道路で、
お互いが滑らないようにと支えあった
見知らぬ人の
手のぬくもりだと伝えたい。
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今となっては
名前も顔も分からない
恩人である声の主に、
直接感謝を伝えることは
かなわないけれど
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今度はわたしが、
真摯な生き様で、言葉で、
伝え続けていきたいと思っています。
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「大丈夫、
  あなたは一人ぼっちじゃない」と……。
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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関西に住んでいることもあり
阪神淡路大震災によって
大きく人生が変わったという
友人、知人は
ほんとうにたくさんいらっしゃいます。
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ただ、その人生の変化というのは
驚くほどそれぞれに違います。
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そしてそれは
おそらく
すべての変化について同様です。
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どんな人生にも
困難はつきものですが
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同じ困難であっても
それぞれの苦しみ悲しみというのは
それぞれにしか
分からないものだということ。
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よく
「分かるよ」と
思ってしまいがち
言ってしまいがちですが
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分からないということを
分かっていることは
とても大切だと思うのです。
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そのうえで
同情からの共感ではなく
深い愛で寄り添うことを
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そして、
自分の望む通りの言葉でなくても
行為でなくても
その中から
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そんな愛を
感じとれる自分でいることを
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大切にしたいなと思います。
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いつだったかの講演で
お話したことがあるのですが
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この記事に出てくる
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「おばあちゃん大丈夫か?
   遠慮はいらんからここに座って」
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というような言葉に対して
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「わたしのほうが先に座ったのに!」と
ものすごい勢いで叫ぶ人もいたし
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列にちゃんと並ばないとか
ゴミをきちんと捨てないとか
ルール違反をする人もいたのです。
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そういうところにフォーカスすれば
わたしのこの記事は
「きれいごと」ということになります。
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結局のところ
いつどんな時にも
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たとえ
まったく同じ空間にいたとしても
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どこを見るのか
何を感じるのか
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わたしたちの世界は
それによってできているのですね。
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さあ、そうなのだとしたら
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あなたはどんな世界に生きますか?
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しっかりと心に問うて、
自分で決めて
生きていきたいものですね。
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今日もお読みくださり
心よりありがとうございました。
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これを読んでくださるあなたが
いのち輝く日々を
お過ごしくださいますように祈ります。
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喜びと祈りと感謝とともに。
山内 尚子 拝
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今日の写真は
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