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2022.12.25

【国を失う哀しみ、マサダ 後編 】#024

わたしたちの旅でも訪れる
世界文化遺産のひとつ
ユダヤ民族の聖地「マサダ」の物語。
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昨日の投稿では
難攻不落の自然の要塞「マサダ」
そこで繰り広げられた
967人のユダヤ人たちによる
3年間にもおよぶ徹底抗戦が
ある日を境にピタリと止まった
というところまで、お話ししましたね。
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本日は後編
イスラエル滅亡の経緯を
引き続き、赤塚高仁さんによる
『ユダヤに学ぶ変容の法則』から引用し、
少しだけ補足を入れつつ
お伝えしていきたいと思います。
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(引用ここから)
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ユダヤ人たちは
一体どうして
攻撃を中止してしまったのでしょうか。
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土木技術においても
世界最強のローマ帝国は
付近の山を崩し、
マサダの頂上めがけて
道路を築造し始めていました。
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なんと、
その道路を作る工事の
最前線で働かされていたのは、
エルサレムから連れてこられた
ユダヤ人奴隷たちでした。
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マサダから攻撃をすれば、
同胞を傷つけてしまう。
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もはや攻撃することも逃げ出すこともできず、
ただ、ローマ軍が攻め込んでくるのを
待つばかりとなってしまったユダヤ人たち。
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もはや万事休す、これまでだ……。
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道路が完成に近づき、
あと数日で攻め込まれる
というところまできたとき、
ユダヤ反乱軍の司令官
エリエゼル・ベン・ヤイールは、
男たちをシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)に集めて
演説をします。
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「ローマ軍に殺されることや、
捕虜となって辱めをうけることよりも、
唯一の主なる神に命を捧げ、
ユダヤ民族の誇りを護るため
自決の道を選ぼう」と……。
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男たちはそれぞれの家に帰って、
愛をもって家族を殺しました。
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そして再び集まり、
10人を選ぶくじを引きます。
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「殺してはならない」というモーセの十戒は
掟の中の掟です。
なかでも自殺は
最も重大な掟破りになるのです。
自殺者は、
家族と同じ墓に入ることも許されません。
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せめて自殺者は出さないようにと、
彼らは考えたのでしょう。
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選ばれた10人が、
男たちを刺し殺しました。
10人の中から最後に一人が選ばれ、
残りの9人を刺し殺します。
最後の一人は、地面に剣を立て、
それに突っ伏して死にました。
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マサダの発掘現場からは、
その時のくじ引きの跡が見つかっています。
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3年間の鬱憤を晴らそうと、
息を弾ませてマサダに乗り込んだ
ローマ軍が見たものは、
静まり返った要塞に
山と積まれた武器弾薬に食糧。
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そして、ユダヤ反乱軍とその家族の亡骸でした。
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マサダの貯水槽には約4万トン、
人々が10年は暮らせるだけの水が
蓄えられていたと言います。
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そんな貯水槽の一つに、
二人の女性と五人の子どもが
隠れているのが見つかりました。
彼らの証言で、
マサダの最後の状況が伝えられたのです。
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おそらく、ヤイール司令官は
ユダヤ民族の最後の姿を伝えさせるために、
彼らを逃がしたのでしょう。
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彼らから聞き取った話は、
ヨセフス・フラビウスの
『ユダヤ戦記』によって
今も詳細に伝えられています。
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マサダの3年にわたる抵抗を最後に、
イスラエルは滅びました。
イスラエルは、
世界の地図から姿を消したのです。
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こうしてユダヤ民族の
流浪の日々が始まりました。
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これまでもお話してきたとおり
その後2000年にわたり、
国を持たないユダヤ民族は
世界の各地で苦難の中を生きてゆきます。
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しかし、それぞれの場所で血が混ざり、
皮膚や目の色の違う人々となっても、
彼らは決して
ユダヤ民族としてのアイデンティティを
失うことはありませんでした。
このことは、
人類の奇跡というよりほかありません。
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そして1948年5月14日、
イスラエルは再び建国されました。
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現在イスラエルでは、
国民皆兵で18歳になると
男女ともに軍隊に入ります。
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入隊宣誓式はマサダで行われます。
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再びマサダの悲劇を繰り返さないために……。
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マサダにはためく巨大なイスラエル国旗。
私はそこに立つたびに、
わが師、糸川英夫を思い出します。
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先生は
「ひとりでも多くの日本人に
マサダに来てもらいたい」と言いました。
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「ここにきて、
国を失った民族の哀しみを感じれば、
日本という国があることの有難さに
感謝することができるでしょう」と……。
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その言葉を胸に刻み、
私はイスラエルの旅を続け、
マサダに上り続けています。
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(引用ここまで)
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いま、マサダには
ロープウェイで上ることができます。
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パンフレットを見ながら
世界文化遺産だからと
ワイワイ観光している人たちもいます。
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けれど
この悲劇を知ったあなたは
マサダの風に吹かれて
何を感じるでしょうか?
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歴史を「知る」ことの
本当の意味を
わたしたちは思い出さなければならないと
心から思います。
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今日もお読みくださって
心よりありがとうございます。
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これを読んでくださるあなたが
ただの観光とはまったく違う
遥かなるイスラエルの旅を
ご一緒くださいますように
魂の底から祈っています。
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追伸
旅をご一緒くださるあなたには
事前に赤塚高仁の集大成となる2冊
『ユダヤに学ぶ変容の法則』
『あなたに知らせたい 日本という希望』を
プレゼントさせていただきます!
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本日の写真は
マサダへと上るロープウェイ
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2023年6月10~19日
赤塚高仁・山内尚子と行く
魂の約束を思い出すイスラエルの旅
詳細・お申し込みページはこちら
https://israel2023.kilei.net/
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